加藤直樹さんを迎えての特別コロキアムと特別講義のお知らせ

978-4-907239-05-3.jpg 来たる7月3日(金)、『九月、東京の路上で──1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから、2014年)の著者加藤直樹さんをお迎えして、広島市立大学国際学部の特別コロキアムと特別講義を開催します。直前となりましたが、多くの方にお集まりいただきたく、あらためてお知らせする次第です。
 『九月、東京の路上で』において加藤さんは、関東大震災直後に起きた朝鮮人虐殺を伝える証言や記録、各地に残るその痕跡などを綿密に跡づけながら、この凄惨な虐殺が、どのような背景の下で、どのような人々の手によって行なわれたかを克明に浮き彫りにするとともに、ヘイト・スピーチが吹き荒れる日本の現在の問題を照らし出しています。
 現在、街頭でのヘイト・スピーチはひと頃よりも目につかなくなっているとはいえ、ヘイト・スピーチそのものは、とりわけインターネット上でいっそう陰湿なかたちで繰り広げられていますし、それはこの国では、街頭でのヘイト・スピーチ同様に野放しになったままです。そして、アジアの隣人たちに対する根拠なき敵意や嫌悪を剝き出しにする言説も、マス・メディアを介してさまざまなかたちで流布されています。
 このような状況に渦巻く問題を、関東大震災時の朝鮮人虐殺の歴史を踏まえるところから見通すこと。また、この虐殺の記憶を含んだ血腥い東アジアの歴史を、人々の記憶を継承しながら捉え返し、現在を照らし出すこと。そして、記憶の分有とともに開かれる他者との共生の空間を構想すること。これら喫緊の課題に取り組んでいくうえで、加藤さんのお話は重要な思考の契機をもたらしてくれるにちがいありません。
 加藤さんは『九月、東京の路上で』のなかで、関東大震災直後の凄惨な虐殺の犠牲者を追悼し続ける人々の姿にも光を当てています。7月3日の18時より県立広島大学のサテライトキャンパスひろしまにて開催される特別コロキアム「記憶を編み直す──いま、関東大震災時の虐殺を語る意味」では、ヘイト・スピーチが吹き荒れる今、90年以上前の虐殺を想起し、その記憶を語り継ぐとはどういうことか、という問題を、記憶を編み直すという視点から考えます。
 すでに歴史となった記憶を解きほぐし、記憶の糸を撚り直しながら、顔のある死者の姿を今に浮かび上がらせること。それは、被爆地であるとともに帝国の軍都でもあったここ広島でも重要な課題でしょう。加藤さんのお話を手がかりに、記憶を編み直しながら、他者とともに生きる場を今ここに開く可能性を、参加者のみなさんと考えてみたいと思います。
 同じ日の午後には、「レイシズムの帰結──1923年関東大震災時の経験から考える」というテーマで、私が広島市立大学の国際学部で担当している「共生の哲学I」の特別講義のかたちで、加藤さんに講義していただきます。この講義では、とくに虐殺の主要な要因と言うべきレイシズム(人種や民族などの差別)の問題に光を当てながら、他者との共生へ向けた課題を掘り下げるきっかけとなるお話をいただく予定です。
 いずれも、ご関心のある方はどなたでも歓迎いたします。参加および受講はいずれも無料で、事前の申し込みも必要ありません。お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください。以下に開催情報をまとめておきます。
■広島市立大学国際学部特別コロキアム「記憶を編み直す──いま、関東大震災時の虐殺を語る意味」
日時:2015年7月3日(金)18:00~20:00
会場:県立広島大学サテライトキャンパスひろしま504中講義室
広島市中区大手町1-5-3 広島県民文化センター5階
■広島市立大学国際学部「共生の哲学I」特別講義
日時:2015年7月3日(金)14:40~16:20
会場:広島市立大学国際学部棟431講義室
※講義受講ご希望の方は、そのまま講義室へお越しください。
※一般の方はできるだけ公共交通機関(広電バス62・63 番線で市立大学前下車)でお越しください。
参加費:いずれも無料(事前申し込み不要)
お問い合わせ:柿木研究室(Tel.: 082-830-1767)
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